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買物難民~高齢者と小売店の危機~

買物難民―もうひとつの高齢者問題買物難民―もうひとつの高齢者問題
(2008/09)
杉田 聡

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内閣府が'05年に調査した高齢者の意識調査の結果から
買物難民といわれる人は600万人とも言われる、今では
もっと増えているだろう

『誰もが老いる。近所の小売店はライフラインという認識は大事、
自助や民間参入が難しいところでは行政が向き合うべき』と杉田さんは
いう、さらに買物難民最大の原因として

人口減少と小売店の後継者不足が要因であり、'80年代以降
郊外への大規模店舗進出規制緩和が影響したのが大きいと
指摘する声がある

'07年の全国の小売店はピーク時だった'82年に比べて3割減
身近な店は消え、車が無くては生きていけないように締め出している

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高知県と愛媛県の県境の山間の小さな町、仁淀川町
町のほとんどが高齢者の過疎地だ
マイクロバスを改造した車に生鮮食品から日用品まで350品目を積む
移動販売車『ハッピーライナー』がやってきた
刺身、豚肉、牛乳など3000円分を買った農家の女性は80歳を超え、
還暦を過ぎた娘と二人暮し
車を運転できた夫が23年前になくなってから移動販売車を利用している。
『これが命綱よ、なくなると困るけん、毎回できるだけ買うようにしとる』
車があったとしても一番近いスーパーまでは30分以上かかる

『ハッピーライナ』は中堅スーパー『サンプラザ(本社:土佐市)』が運行する一台
佐川町の店舗で商品を積み、午前9時半に出発
点在する集落を順番に訪れる。一箇所あたり1~5人は週2回やってくる車を
待っている、大半は60代~80代の女性だ。

運転手の田島さん('11年現在60歳)は8年前、食品会社をリストラされ
ハッピーライナーの運転手に
当時、このコースは120人。
今では都会にすむ子供にひきとられたり80人程にへった
道中、耕作されずに荒れた田端や住む人を失って朽ちた民家をいくつも見る
午後6時、佐川町に帰ってきた、27箇所周り、購入者は59人、売り上げは
14万5千円『雨にしてはいい方』という

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田島さんはつぶやく
『頼られとるっちゅうのはわかっとる、でも慈善事業じゃないけん、いつまで
続けられるかなぁ』

高知県によると、県内で移動販売業者は34業者
サンプラザは最大手で6台営業する
顧客は2000人以上、13市町村を回るこの店もガソリン急騰のあおりを受け
数百万の赤字を出してしまった
一時は撤退を考えたときに、国からの補助金が出、車両の代替費用を3分の2
出してもらえるようになった
補助をうけた業者は5年間の事業継続が義務つけられる

こんな例もある

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福岡県いわき市の泉が丘ハイタウン
県内の中堅スーパーとヤマト運輸のタイアップによるタッチパネル方式による
宅配スーパーの説明会があった
参加した60代~80代の数は10人弱
団地は'80年代に山を削って造成された。『港の見える丘』というふれこみで
県内や首都圏から移り住んだ、4900人が暮らす

説明会に参加した80代の女性は、20年前にこのニュータウンにきた
まさかこんな目にあうとは思いもよらなかったという
’07年に徒歩10分のところにあったスーパーが閉店
品揃え豊かなスーパーが団地外に出来て客を徐々に奪われていったのだ
夫は17年前になくなった。
運転免許はなく、路線バスも走ってない、買物をするには坂を下って
約2km先のスーパーまで歩かなくてはいけない
足が悪く途中で休憩しながら40分かけて歩く。帰りはタクシーだ

『これじゃ死活問題だ放っておけない』
地域の自治会長・大川原旭さん('11年現在76歳)は農家との協力で
青空市をはじめ、今回のネットスーパーの運用に踏み切った。

もし、行政も企業も誰も手を差し伸べてくれなかったのなら

大分県中津市耶馬渓町の津民地区。
山あいの平屋の入り口に『ノートン』とペンキで書いた看板がかかっている
'05年に住民が共同出資してたてた手作りの店だった

一人で切り盛りする店長の中畑栄子さん('11年現在77歳)は
『ここはJA支所の建物だったのよ』という
JAが統廃合され食料品や日用品を売る店がなくなった、
車のない年寄りが困ってると聞き、NGOを発足させてここを開いた

会員は現在70人。
入会金2000円、年会費1000円、経営は決して楽ではないが
年間1800人は訪れる
『行政に頼るだけじゃダメ。自分たちで動き民間事業者との連携もかかせません』

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テーマ:政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル:政治・経済

【 2010/05/20 11:28 】

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