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書き続けることで最愛の人といられた~『そうか、もう君はいないのか』~

そうか、もう君はいないのかそうか、もう君はいないのか
(2008/01/24)
城山三郎

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病院の精密検査で癌だとわかった妻は
『ガン、ガン、ガンちゃん、ガンたららら・・・』
明るく歌って帰ってきた。それに呆れ、怒りながらも両手を広げ
抱きしめることしか出来なかった作家の夫。
『大丈夫、大丈夫だ、おれがついてる』
・・・そして妻は一年後に亡くなった・・・夫の愛を確認するかのように

硬派な男ものばかりを書き続けた気骨な作家の遺作は
いつまでも終わることのない妻へのラブレターだった・・・

作家、城山三郎(本名:杉浦英一)の『そうか、もう君はいないのか』
を見つけて編纂した人の思いはいかほどだったろうか。
昭和天皇の料理番、秋山氏の『味』以来の本を読んだ気がした。
男がプライドを投げ捨てて素直に筆を滑らせることに
下らないウンチク本や、恋愛指南書、マナー本など、比べ物に
ならない素晴らしさがある。

'07年暮れに出版された小説新潮の'08年1月号に
掲載された時から、ずっと本になるのを心待ちにしていた。
作家、城山三郎と妻の容子の出逢いは終戦から六年後の名古屋
今は複合施設『オアシス21』のある場所はかつて図書館だった。
『本日休館』の札の前でただずんでいた、大学生の城山氏と
高校生の容子さん。

『天から妖精が降りてきた』


二人は連れ立って歩き映画『グレン・ミラー物語』を見る。
結婚まで考えたが、当時男女交際はうるさく、
1年以上ぶりに奇跡的に再会し、'54年に結婚。
神経質な城山氏と、物事に動じないおおらかな容子さん
『お嬢様がそのまま奥さんになった感じ、落ち込んでもそれを
表に出すひとではなかった』
だからこそ、男親一つに育てられたお嬢様というのもあり
何かと角が立たないように気を使ってるのを見せなかったのだろう。
城山氏と親しかった評論家の佐高信('08年現在63歳)は
『二人は天の配剤だ。城山さんは少年の恋を最後まで貫いた。
容子さんがいなければ作家として人生を真っ当できなかった。』

と言い切る。事実、容子さんは城山氏の初恋の人だった。

城山氏と半世紀以上の付き合いのあった新潮社の元出版部長
梅澤英樹さん('08年現在74歳)はこう語った。
『人生の雑事は奥さんが引き受け口下手な城山さんを補った
まるで母親と息子のようだった。』
城山氏の代表作『落日燃ゆ』のタイトルを考案したのは梅澤氏だが
城山氏が決めかねていた背中を後押ししたのが容子さんだった。
そもそも、彼に『筆一本で生きる勇気』を持たせたのが彼女だ。
『50億の中でただ一人『おい』と呼べるおまえ』と後に詩に書くほど
城山氏は内心彼女を信頼していた。
気恥ずかしくてそれを口にだせない。

次女の井上紀子さん('08年現在48歳)は両親をこう語る
『母あっての父でした。母は父の精神安定剤。
おおらかな母が不器用な父を優しく包み込んだ。お互いを
脅かしっこするなど、晩年も少年少女のままでした。』

それだけに、容子さんが亡くなったとき城山さんはうろたえた。
葬式にいかないといいはった。
式場に無理やりつれていくと靴を履き違えた。
墓参りにも行かなかった。
妻の死は自分の中であってはならないことだった。

彼の最後の小説『指揮官たちの特攻』は容子さんの死で
ラストが変わってしまった。
水上機で特攻した兵士を書く為、
わざわざ飛行機の操縦桿を握って取材までしたのに
主人公というより、残された遺族に焦点があたった作品になった。

『そうか・・・』を書き始めたのは容子さんが夢枕にたったからだという
JR茅ヶ崎のマンションの10階、相模湾の見える書斎のあちこちに
遺作となった原稿は散らばっていた。
この原稿を集めた新潮社の楠瀬啓之さん('08年現在41歳)は
『この原稿を書いてる間は、容子さんと一緒にいられるという
心境だったのでしょう。だからこそ未完なのです、
完成しない運命だったかもしれません』


容子さんの七回忌が終わった後、城山氏は体調を崩し
彼女を追うように逝った。
最後の言葉は『ママは・・・?』だった。

城山氏の恋であり愛はたったひとつだった。
こんな風に愛する人に愛された女性が心底うらやましい。
(写真下は湘南の海を臨む城山氏の書斎)
chigasaki
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テーマ:小説 - ジャンル:小説・文学

【 2008/03/23 18:28 】

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